
パタゴニアの山用ソフトシェル”アセンジョニストジャケット”の、防水性能について。
ゴアテックスに代表される透湿性ハードシェルよりも、これらのソフトシェルは抜群の透湿性と速乾性を持つ。 これで雨に強ければ登山用ジャケットととして最適なのだ。 果たして雨の多い日本の山でどれ位使えるか。
09年6月初旬、一の沢から常念岳を目指した。
天気予報は雨、朝からどんよりした空のもと、新緑の美しい一の沢沿いを行く。
キャプリーン2の長袖の上にアセンジョニストジャケットの上半身パタゴニア人。
スタート時の気温は15度前後、風の無い樹林帯ではこの組み合わせでも若干暑い。
途中、ポツポツと何度か小雨がパラついた、雪渓に差し掛かった辺りから常念小屋までの約3時間は本降りの雨となった。 激しい降り方では無いが、ザーザーと音を立てて大粒の雨が降り続く。
今回のように行動途中から降り出した場合、雨具の装着は面倒だ。
稜線上ならば迷わず上下装着だが、行動中でしかも樹林帯の中となると、つい手を抜いてしまう。
ゴア雨具の下だけ履こうかと思案するも、結局履かなかった。
雨の降り出しから1時間半位で最後の水場と呼ばれる雪渓から夏道への分岐点に到着。 そこで雨の中、立ったまま行動食を口にした。
この時点でジャケットは元気に雨を弾いていたが、袖の辺りと裾の部分など、所々雨がしみ込み黒っぽくなってきた。 しかし、全体的にはまだまだ雨をしっかり防いでいる印象。
全面に小さなツバがついた防水のきいた帽子もかぶっていた。
帽子が濡れてしまった為ジャケットのフードは被らなかった、被ると帽子についた雨粒が首筋に入り冷たいから。
さて、雪渓を離れてまだまだ残雪の多い樹林帯を行くのだが、標高が上がるにつれ気温も下がり、横着をして雨具を履かなかった足などが冷たくなってきた。
特に腿の前面部分(膝の上)がビチョビチョで冷たい。
一番濡れるこの部分は、優秀な撥水性能を誇るモンベルズボンの限界を超えてしまったようだ。
最後の樹林帯の急登がとても歩き難かった。
残雪の中から新芽をつけた枝が元気に立ち上がってきて、行く手を遮っている。
これらを掻き分け乍ら進むのだが、上から降る雨よりも濡れてしまうし疲れる。
雪と泥と枝の擦れ等でジャケットもズボンも随分汚れた。
さてジャケットであるが、ガスで視界の利かない常念乗越につく頃には、水が染み込んだ黒い部分が多くなってきた。 しかしまだ「浸水している」印象はない。
小屋に着きほっとしていると、小屋のお姉さんに「ずぶ濡れですねぇ」と笑われた。 これは頭のてっぺんから足先まで全身から水が滴る状態を見事に表現した言葉であるが、当人にはそこまでの認識は無かった。
ストーブで濡れたズボンを乾かしながら「本格的な雨の時は雨具を着た方がよかったなぁ」と当たり前の事をぼんやり考えた。 適当に干しておいたジャケットは1時間程で乾いていた。
ちなみに今日の常念小屋の宿泊者は3組9名のみ、大変混雑する小屋らしいが悪天時はのんびり贅沢に過ごせる特典付きだ。(笑)
このジャケットの撥水性能と速乾性は予想以上に優れている事がわかった。
豪雨以外の天候や日帰りならばこれ一枚でイケル、しかし雨具は持って行った方が安心だ。
最後に、このジャケット山だけではなく、都会の街着としてもすこぶる快適。
真夏以外は多くの場所で役に立つ優れもの、お勧めです。
patagonia ascensionist